一輪の花

─── 花は咲いていた 僕らの世界で

何気ない場所にひとつ 小さな花が咲いていました
気づかずに歩く人 気に留めず歩く人

花は空を仰ぐ 深い蒼広がる下の
何もない道端で ただただ誰かを待つ

大人になるたび 光を失ってゆく
ほんの少しの幸せも 手から零れ落ちて

僕は見つけたよ 小さな世界を
ふと地面に目を向けたら
花は咲いていた ひとり寂しそうに
...君は僕の傍にいてくれるの?

明くる朝じょうろを持って 駆け足で花に届けました
キズのある心から 『孤独』の文字は消えた

だけど君を待つ僕は また深いキズを背負った
努力を踏みにじるように 人は花も踏みにじる

大人になるたび 空が狭くなってゆく
何も見えちゃいないだろう 足元のいのちも

僕は失くしたよ 小さな世界を
泣き崩れた目を明けたら
花は枯れていた 諦めたように
違う!僕は助けるんだ

悲しいことから目を逸らして
奇跡を信じたワケじゃなかった
それでも僕はじょうろを持って
駆け足で 君の場所まで

花は生きていた 深く根を張って
溢れ出した笑顔の花
僕は見つけたよ 小さな世界を
蒼い空と僕らの場所

花は咲きほこる 君へ届くように
精一杯今を生きて
僕は見つけたよ 僕らの世界を
その笑顔が続くように
僕は君の傍にいるよ ずっと

─── 花は咲いていた 僕らの世界で
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